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民法‐共有

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建士先生

宅建試験では民法の共有の問題は、数年に1度程度の出題頻度ですが、次の区分所有法を勉強する上で基本となる知識ですので、しっかり理解しておきましょう。ただし、知識としてはそんなに多くありません。キーワードだけ抑えておけばよいと思います。

 

共有

共有とはその言葉通り、1つの物を2人以上で共有することです。

数人で一つの物を共有すると、各共有者はそれぞれがその割合に応じて権利を取得します。たとえば、4,000万円の別荘をA、B、CでそれぞれAは2,000万円、Bは1,000万円、Cは1,000万円の割合で購入しました。この場合には、Aの持分は1/2、BとCはそれぞれ1/4の持分とされるのです。

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます

「共有物の全部について」とは、たとえば、別荘を共有している場合、その別荘の全部を持分に応じた割合で使用することができるということです。そうでなければ、たとえばAは1/2の持分だからといって別荘のリビングだけしか使えなくて、トイレとお風呂はBとCが使うとなるとおかしなことになってしまいます。

持分の割合がはっきりしない場合は、各共有者の持分は、相等しいものと推定されます。

 

共有持分のまとめ
共有持分の割合の推定 相等しいものと推定
持分権の処分

各共有者は自己の持分を自由に処分することができる

共有持分は所有権と考えられるため、自由に処分することができると考えられる。

持分の放棄及び共有者の死亡 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
共有物の分割請求

各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる

ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることができる
分割しない旨の契約は、更新することができる。

ただし、その期間は、更新の時から5年を超えることができない。

 

共有物の管理等

 

共有物の管理等のまとめ
共有物の使用  各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる
管理  

保存行為

共有物の修理、登記、不法占拠者に対する明け渡し請求など 各共有者が単独でできる
管理行為 利用、賃貸借契約の締結・解除など 持分の価格の過半数
変更行為 共有物の売却、増築、改築  共有者全員の合意
管理費用の負担
  1. 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を負担する。
  2. 共有者が管理費用を支払わない場合は、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。
  3. 共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。

 

不法占拠者の対する明け渡し請求は各共有者が単独ですることができます。ただし、不法占拠者に対しての損害賠償請求は各共有者がその持分に応じて取得することができます。各共有者が自己の持分を超えて請求することはできません。

また、他の共有者が1人で共有物の全部を占有している場合、各共有者はその全部を占有している共有者に対して明け渡し請求をすることはできません。なぜなら、共有物の使用に関して共有者は全部について使用することができるからです。

こういった場合には、共有者間で協議して使用方法を決めることになっています。(この利用方法の協議は管理行為なので、持分の価格の過半数で決めます)たとえば、3人で1/3ずつ建物を共有している場合は、1年(365日)を1/3に割ってその分の割合で使用するなどです。(121日ずつ使って、後の2日はみんなでパーティー!なんて)

 

共有物の分割方法

共有物の分割は、共有者間の協議によりすることができます。ただし、その教義が調わなかった場合には、裁判所の分割請求をすることができます。

 

共有物の分割方法
現物分割

共有物をそのまま分割する方法

代金分割 共有物を売却、競売してその代金を分割する方法
全面的価格賠償 共有者の1人または数人が共有物を取得し、その他の共有者に持分の価格を賠償して分割する方法

 

 





 

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