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宅建資格ゲッター 独学テキスト 宅建業法 自ら売主制限‐自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限

自ら売主制限‐自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結の制限

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建士先生

民法では、売主が他人の物(権利)を売買しようとするときにはその権利を取得する義務を負えば、他人物売買をすることができます。

宅建業法では、宅建業者は自ら売主となり宅建業者でない者と、他人物または未完成物件の売買契約を締結してはいけません。

宅建業者はまだ自分の物になっていない宅地や建物の売買契約をしてはならないということです。

 

民法560条

(他人の権利の売買における売主の義務)
第五百六十条  他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

 

自己の所有に属しない宅地建物とは

自己の所有に属しない宅地建物とは

  1. 売主以外の者の所有に属する宅地建物
  2. 未だ完成していない宅地建物

1については他人物です。民法では他人物売買は有効にすることができますが、宅建業法では買主の保護の観点から規制されています。

 

2は未完成物件です。未完成物件も完成していない状態なので、宅建業者が所有権を取得していないということになります。そのため、自己の所有に属しない宅地建物です。

 

宅建業者は、原則として自ら売主となり宅建業者でない者との自己の所有に属しない宅地建物の売買契約(予約も含む)を締結してはなりません。

 

みーこ助手

宅建試験に出るのはここからです。原則があれば、例外があります。この違いが試験で問われます。

 

自己の所有に属しない宅地建物(他人物売買の場合)

民法では他人物売買は自由にできますが、宅建業法では規制されています。

ただし、売主である宅建業者が、所有者との間で宅地建物を取得する契約、予約を含む(契約、予約の効力が条件に係るものを除く)を締結している場合には、買主との間で売買契約を締結することができます。

 

 

 

契約を締結していたり、売買の予約を締結していれば、ほぼ確実に宅建業者に所有権が移転し、買主の契約も締結することができるからです。

 

みーこ助手

条件付き契約とは、たとえば、「転勤が決まったら土地を売る」といったことを条件に契約することです。転勤が決まらなかったら永久に宅建業者はその土地を取得することができません。このような状態で、買主と契約を結ぶと買主は土地を取得することができないかもしれません。そのため、条件付きの契約は禁止されています。

 

自己の所有に属しない宅地建物(未完成物件の場合)

未完成物件についても売買契約の締結について規制されています。

未完成物件の契約締結時期では、開発許可、建築確認許可の処分があった後でなければ契約の締結をしてはいけませんでした。

それでは、開発許可、建築確認許可の処分があった後であればよいのでしょうか。もし、その後、宅建業者が破産して工事がストップしたりすれば買主は宅地建物を取得することができません。

たとえば、未完成のマンションを購入するために宅建業者に手付金を支払いました。しかしその後、資金繰りがつかなくなり、宅建業者は破産してしまいました。この場合、債務不履行による解除をし、手付金の返還請求をすることができます。しかし、破産してしまった宅建業者が手付金を返せるでしょうか。

 

そこで、宅建業者は、手付金保全措置を講じれば、未完成物件の場合であっても、売買契約を締結することができることになっています。

 

みーこ助手

手付金保全措置を講じていれば、上記のようなことがあっても買主の手付金は返ってくるので安心ですね。

 

(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
第三十三条の二  宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地又は建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む。)を締結してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一  宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得する契約(予約を含み、その効力の発生が条件に係るものを除く。)を締結しているときその他宅地建物取引業者が当該宅地又は建物を取得できることが明らかな場合で国土交通省令・内閣府令で定めるとき。
二  当該宅地又は建物の売買が第四十一条第一項に規定する売買に該当する場合で当該売買に関して同項第一号又は第二号に掲げる措置が講じられているとき。

 

 





 

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