宅建資格ゲッター - 宅地建物取引士を目指すすべての人に!
宅建資格ゲッター 独学テキスト 宅建業法 宅地建物取引業保証協会

宅地建物取引業保証協会

※このページは のものです。情報が古い場合があります。

 

 

建士先生

宅建業者が宅建業を開始するためには営業保証金を供託する必要があります。

しかし、宅地建物取引業保証協会に加入すると、営業保証金の供託義務が免れます。保証協会に加入すると、弁済業務保証金制度があり、営業保証金制度の代わりに利用することができるからです。

 

宅地建物取引業保証協会(保証協会)

宅地建物取引業保証協会とは、国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人です。

この保証協会に宅建業者が加入することで、弁済業務保証金制度が利用できるようになります。

また、保証協会に加入している宅建業者のことを社員といいます。この社員とは、会社の従業員のような意味ではありませので気を付けてください。

 

みーこ助手

保証協会の指定を受けた法人は2団体あり、ハトのマークの宅建協会と、ウサギのマークの不動産協会です。なお、宅建業者は複数の保証協会に同時に加入することはできません。

 

保証協会の業務

保証協会は以下の業務を適正かつ確実に実施しなければなりません(必須業務)

  1. 社員である宅建業者の相手方からの取引に関する苦情の解決
  2. 宅地建物取引士、宅建業に従事している者に対する研修
  3. 社員である宅建業者と取引をした者の有する取引により生じた債権の弁済業務(弁済業務保証金制度

保証協会は以下の業務を行うことができます(任意業務)

  1. 社員である宅建業者との契約による宅建業に関する債権を連帯して保証する業務(一般保証業務
  2. 手付金等保管事業
  3. 宅建業の健全な発達を図るため必要な業務

保証協会の業務の一部は国土交通大臣の承認を受けて他に者に委託することができます。

 

取引に関する苦情の解決

宅建業者の相手方から取引に関する苦情があった場合は、保証協会はその相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その調査をするとともに、その社員に対し内容を通知して迅速な処理をしなければなりません。

また、苦情の解決について必要に応じて宅建業者に文書もしくは口頭での説明を求めることができます。宅建業者は正当な理由がなければ説明義務を拒むことができません

保証協会はこれらの苦情、解決の結果を保証協会の社員に周知させなければなりません

 

宅建業に関する研修

保証協会は宅地建物取引士や宅建業の従事者に対し宅建業に関する研修を実施しなければなりません。

この研修は、宅地建物取引士に対し宅地建物取引士証の交付の際に都道府県知事がする講習(宅地建物取引業法第22条の2第2項)とは違いますので注意が必要です。

 

弁済業務保証金制度

弁済業務保証金制度は営業保証金制度の代わりになる制度です。宅建業者はどちらの制度を使うかは自由です。

それでは、なぜ、営業保証金制度と弁済業務保証金制度があるのでしょうか。

それは、営業保証金制度が高額な供託金を納めなければならず(主たる事務所1,000万円、従たる事務所1つにつき500万円)、宅建業者には大きな負担となってしまうからです。

弁済業務保証金制度は、主たる事務所60万円、従たる事務所1つにつき30万円の弁済業務保証金分担金を納付すれば利用できるからです。

 

保証協会は新たに宅建業者が社員になった時、もしくは社員がその地位を失ったときは、直ちにその旨を当該社員である宅建業者の免許権者に報告しなければなりません。

 

弁済業務保証金制度の仕組み

 

 

弁済業務保証金制度は、営業保証金の代わりになる制度です。

宅建業者が保証協会の社員となり、弁済業務保証金分担金を納付します。その後、保証協会は弁済業務保証金を供託所に供託するのです。

 

弁済業務保証金分担金

保証協会に加入することで、個々の宅建業者が負担する保証金の額が少なくなります。

宅建業者は保証協会に加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません。

 

弁済業保証金分担金の額

  1. 主たる事務所は60万円
  2. 従たる事務所は30万円

たとえば、主たる事務所と支店(従たる事務所)が3つある宅建業者では、60万円+30万円×3で150万円を保証協会に加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません。

また、この弁済業務保証金分担金は必ず金銭で納付しなければなりません。

営業保証金の場合は金銭以外に有価証券での供託ができました。しかし弁済業務保証金分担金は有価証券での納付することができませんので注意しましょう。

 

弁済業務保証金の供託

弁済業務保証金は、保証協会が供託所に供託する保証金です。弁済業務保証金を供託するのは保証協会ですよ、宅建業者ではありませんから注意しましょう。

 

保証協会は、宅建業者から弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から1週間以内納付された金額と同額の弁済業務保証金を法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に供託しなければなりません。

営業保証金の場合では、主たる事務所の最寄りの供託所でしたが、弁済業務保証金の場合は、法務大臣及び国土交通大臣が定めた供託所に供託します。

また、この弁済業務保証金は金銭又は国債証券、地方債証券その他の有価証券で供託することができます

国債証券、地方債証券、その他の有価証券で供託する場合は営業保証金の場合と同じです。

 

事務所を新たに設置した場合

保証協会に加入している社員である宅建業者が新たに事務所を設置した場合は、その日から2週間以内に、その事務所の分の弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければなりません。もし、納付を怠った場合には社員の地位を失うことになります。

 

担保の提供

保証協会は、社員が社員となる前に取引をした者の有するその取引により生じた債権に関し弁済が行なわれることにより弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがある場合には、その社員に対し、担保の提供を求めることができます。

 

弁済業務保証金の還付

宅建業者と宅建業に関する取引をした者(還付請求権者)は、その取引により生じた債権(トラブルなどによる損害)に関し、弁済業務保証金から弁済を受けることができます。基本的には営業保証金の場合と同じです。

 

還付請求権者が受け取ることができる還付の額は、営業保証金制度の時と同様の額です
たとえば、取引きをした宅建業者が本店と支店2つで宅建業を営んでいる場合は、本店の営業保証金1,000万円と支店の分の500万円×2=1,000万円を足した額の2,000万円までの額から還付を受けることができます。

弁済業務保証金分担金の額である120万円ではありません。

 

弁済業務保証金の還付の手続き

還付の手続きは営業保証金の時より少し複雑になっています。

 

弁済業務保証金の還付は、還付請求権者が保証協会に認証の申出を行い、保証協会から認証を受けます。その後、供託所に対し還付の請求を行います。還付金の額は営業保証金の額と同じ額の範囲です。

供託所は保証協会に対して還付されたことを通知します。保証協会は供託所(国土交通大臣)からの通知を受けた日から2週間以内に補充供託を納付しなければなりません。保証協会は社員に対して還付された通知を行います。社員である宅建業者は保証協会からの通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を納付しなければなりません。

  1. 還付請求権者は保証協会に還付の認証の申出を行い、認証を受ける
  2. 還付請求権者は供託所に対し還付請求
  3. 還付を受ける
  4. 供託所は保証協会に対し還付された旨の通知
  5. 保証協会はその通知を受けた日から2週間以内に補充供託
  6. 保証協会は社員に還付された旨の通知(補充供託した時は供託書の写しを添付)
  7. 社員はその通知を受けた日から2週間以内に還付充当金の納付

還付請求権者はまず、保証協会の認証を受け、供託所に還付請求を行うということに注意しましょう。

社員である宅建業者は期間内に還付充当金を納付しなかった場合には社員の地位を失います。

 

弁済業務保証金の取戻し

保証協会は、次の事由があった場合には弁済業務保証金を取り戻すことができます。

  1. 社員が社員の地位を失ったとき
  2. 社員が一部の事務所を廃止したとき(超過分の額を取り戻すことができる)

保証協会は弁済業務保証金を取り戻した後、宅建業者に対し弁済業務保証金分担金を返還します。

また、社員が社員の地位を失ったときには、保証協会は還付請求権者に対し6カ月下らない一定期間内に認証を受けるべき公告をしなければなりません。一部の事務所を廃止した場合は公告する必要はありません。営業保証金制度の場合は、一部の事務所を廃止した場合にも公告しなければなりませんでした。違いに注意しましょう。

 

弁済業務保証金準備金

弁済業務保証金が還付された場合、保証協会が補充供託し社員に対して還付充当金の納付するように通知します。

しかし、還付充当金が納付されない場合があります。そういった事態に備えて、保証協会は弁済業務保証金の供託に充てるために一定の金銭を積み立てておきます。この金銭のことを弁済業務保証金準備金といいます。

また、弁済業務保証金から生ずる利息や配当金を弁済業務保証金準備金に繰り入れなければなりません。

弁済業務保証金準備金の額が国土交通省令で定める額(宅建協会は15億円、不動産協会は3億円)を超えたときは、必須業務の費用、または、宅建業の健全な発展のために寄与する事業に出損するためにその超過分を取り崩すことができます。

 

特別弁済業務保証金分担金

還付が行われて、弁済業務保証金準備金を供託金に充てるのですが、それでも不足する場合には、特別弁済業務保証金分担金を保証協会の社員に納付することを通知しなければなりません。弁済業務保証金準備金で足りない分は社員で負担するということです。

 

 

 

社員である宅建業者はこの通知を受けてから1ヵ月以内に納付しなければなりません。また納付しなかった場合には社員の地位を失います。

 

社員の地位を失った場合の営業保証金の供託

保証協会の社員が社員の地位を失ったときは、その日から1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません

これに違反すると、業務停止処分を受けることがあります。

営業保証金を供託した場合は免許権者に対し供託した旨を届け出なければなりません。

 

 





 

週間人気ランキング