契約締結時の制限
- 建士先生
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宅建業者が宅地の造成または建物の建築工事の完了前において(未完成物件のこと)契約を締結する際に制限を設けています。
契約締結時の制限は、広告開始時期の制限と一緒に覚えておきましょう。
契約締結時の制限の内容
宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、開発許可、建築確認許可の処分があった後でなければ、その工事に係る宅地建物につき、自ら当事者として行う売買、交換の契約を締結したり、媒介、代理として行う売買、交換の契約をしてはなりません。
賃借の媒介、代理については制限されていないことに注意しましょう。
広告開始時期の制限では、賃借の媒介、代理も制限されていました。広告の場合にはたくさんの人が被害に遭う可能性があるにの対して、貸借の媒介、代理であれば、被害が小さいと考えられるからです。
広告開始時期の制限との比較
広告開始時期の制限は契約締結時期の制限と比較して覚えましょう。
広告開始時期の制限と契約締結時期の制限の比較 | ||
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広告開始時期の制限 | 契約締結時期の制限 | |
取引対象 | すべての取引に関して制限される |
貸借の媒介、代理については制限されません。 |
監督処分 |
指示処分 罰則の適用なありません |
指示処分、業務停止処分 情状が特に重いときは免許取消処分 罰則の適用はありません。 |
(広告の開始時期の制限)
第三十三条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項 又は第二項 の許可、建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項 の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。
(契約締結等の時期の制限)
第三十六条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項 又は第二項 の許可、建築基準法第六条第一項 の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。