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監督処分‐宅建業者





監督処分に関する問題は、毎年1問出題されています。

監督処分がなされた場合は誰が処分を行うのか、また処分の手続きについても問われますのでしっかり理解しておきましょう。

 

 

監督処分の種類と処分権者

宅建業者に対する監督処分には、指示処分、業務停止処分、免許取消処分があります。

 

監督処分の処分権者

処分権者とは、指示処分、業務停止処分、免許取消処分の処分をする人のことです。

たとえば、宅建業者が免許を受けた都道府県で処分の対象となる行為(違反行為や違法行為など)を行ったときは、その免許を受けた免許権者により監督処分がなされます。

また、処分対象行為を、免許を受けた都道府県以外の都道府県で行った場合には、その都道府県の都道府県知事も指示処分、業務停止処分をすることができます。ただ、この場合は、免許取消処分はすることができません。

免許取消処分は、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事にしかできないことになっています。

 

宅建業者 監督処分の処分権者
  免許権者
(国土交通大臣又は都道府県知事)
処分対象行為を行った都道府県の都道府県知事
指示処分
業務停止処分

免許取消処分 ×

 

指示処分

国土交通大臣又は都道府県知事又は処分対象行為を行った都道府県の都道府県知事は、宅建業者が違反行為や違法な行為をしたときは、必要な指示をすることができます。「しなければならない」ではないことに注意しましょう。

 

次の場合に宅建業者に対して、必要な指示(指示処分)をすることができます。

  1. 宅建業法違反、住宅瑕疵担保履行法に違反したとき
  2. 業務に関し取引の関係者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき
  3. 業務に関し取引の公正を害する行為をしたとき、又は取引の公正を害するおそれが大であるとき
  4. 業務に関し他の法令(住宅瑕疵担保履行法を除く)に違反し、宅建業者として不適当であると認められるとき
  5. 宅地建物取引士が、監督処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるとき

これら項目はあまり試験で問われることがないので覚える必要はありませんが、1の住宅瑕疵担保履行法に違反したときと、5は覚えておきましょう。

 

業務停止処分

国土交通大臣又は都道府県知事又は処分対象行為を行った都道府県の都道府県知事は、宅建業者に対して1年以内の期間を定めて、その業務の全部または一部の停止を命ずることができます

  1. 業務に関し他の法令(住宅瑕疵担保履行法を除く)に違反し、宅建業者として不適当であると認められるとき
  2. 宅地建物取引士が、監督処分を受けた場合において、宅建業者の責めに帰すべき理由があるとき
  3. 一定の宅建業法違反(専任の宅建士設置義務違反、威迫、重要事項説明義務違反、報酬額の制限違反、媒介契約書不交付、営業保証金の供託義務や社員の地位を失ったときに1週間以内に営業保証金を供託しなかったときなど)
  4. 住宅瑕疵担保履行法の保証金の供託義務、不足額の供託義務に違反したとき
  5. 指示処分に従わなかったとき
  6. 宅建業法の規定に基づく国土交通大臣又は都道府県知事の処分に違反したとき
  7. 宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき
  8. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
  9. 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき。
  10. 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに業務の停止をしようとするとき以前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるに至ったとき

これらの項目で重要なのは、すべての宅建業法違反ではなく、一定の宅建業法違反に限られているということです。また指示処分に従わなかった場合においても業務停止処分の対象になります。

 

国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者に対して以下の宅建業法の規定に違反したときは1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

第十三条、第十五条第三項、第二十五条第五項(第二十六条第二項において準用する場合を含む。)、第二十八条第一項、第三十二条、第三十三条の二、第三十四条、第三十四条の二第一項若しくは第二項(第三十四条の三において準用する場合を含む。)、第三十五条第一項から第三項まで、第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十一条第一項、第四十一条の二第一項、第四十三条から第四十五条まで、第四十六条第二項、第四十七条、第四十七条の二、第四十八条第一項若しくは第三項、第六十四条の九第二項、第六十四条の十第二項、第六十四条の十二第四項、第六十四条の十五前段若しくは第六十四条の二十三前段の規定又は履行確保法第十一条第一項 、第十三条若しくは履行確保法第十六条 において読み替えて準用する履行確保法第七条第一項 の規定に違反したとき。

 

都道府県知事は、国土交通大臣又は他の都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者で当該都道府県の区域内において業務を行うものが以下の宅建業法の規定に違反したときは1年以内の期間を定めて、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

第十三条、第十五条第三項(事務所に係る部分を除く。)、第三十二条、第三十三条の二、第三十四条、第三十四条の二第一項若しくは第二項(第三十四条の三において準用する場合を含む。)、第三十五条第一項から第三項まで、第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十一条第一項、第四十一条の二第一項、第四十三条から第四十五条まで、第四十六条第二項、第四十七条、第四十七条の二又は第四十八条第一項若しくは第三項の規定に違反したとき。

  1. 第十三条(名義貸しの禁止)
  2. 第十五条第三項(宅地建物取引士の設置)
  3. 第二十五条第五項(営業保証金の供託等)第二十六条第二項(事務所新設の場合の営業保証金)

  4. 第二十八条第一項(営業保証金の不足額の供託)
  5. 第三十二条(誇大広告等の禁止)
  6. 第三十三条の二(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)
  7. 第三十四条(取引態様の明示)
  8. 第三十四条の二第一項若しくは第二項(媒介契約、媒介契約の有効期間)第三十四条の三(代理契約において準用)
  9. 第三十五条第一項から第三項まで(重要事項の説明等)
  10. 第三十六条(契約締結等の時期の制限)
  11. 第三十七条第一項若しくは第二項(書面の交付(宅地建物取引士の書面の記名押印は除く))
  12. 第四十一条第一項(手付金等の保全)
  13. 第四十一条の二第一項(自ら売主となる手付金の受領に関する保全措置、手付金等の額)
  14. 第四十三条(所有権留保等の禁止)第四十四条(不当な履行遅延の禁止)第四十五条(秘密を守る義務)
  15. 第四十六条第二項(報酬額の制限)
  16. 第四十七条(業務に関する禁止事項)
  17. 第四十七条の二(契約の締結の勧誘に際し誤解させるべき断定的判断を提供する行為、相手方等を威迫、解除の妨げに関する行為)
  18. 第四十八条第一項若しくは第三項(証明書の携帯等、従業者名簿設置記載)
  19. 第六十四条の九第二項(弁済業務保証金分担金の納付等)
  20. 第六十四条の十第二項(還付充当金の納付等)
  21. 第六十四条の十二第四項(別弁済業務保証金分担金の納付)
  22. 第六十四条の十五前段(社員の地位を失つた場合の営業保証金の供託(地位を失つた日から一週間以内))第六十四条の二十三前段の規定(保証協会指定が取消された場合の営業保証金の供託)
  23. 履行確保法第十一条第一項 (住宅販売瑕疵担保保証金の供託等)
  24. 第十三条(自ら売主となる新築住宅の売買契約の新たな締結の制限)若しくは履行確保法第十六条(供託宅地建物取引業者について準用) において読み替えて準用する履行確保法第七条第一項(住宅建設瑕疵担保保証金の不足額の供託)

 

免許取消処分

国土交通大臣又は都道府県知事が免許取消処分をするときは、必ず取り消さなければならない(必要的免許取消事由)の場合と必要な場合には取り消すとことができる(任意的免許取消事由)があります。

 

必要的免許取消事由

  1. 成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者となったとき
  2. 禁錮以上の刑に処されたとき
  3. 宅地建物取引業に違反
    ・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に違反
    ・刑法(傷害罪、障害現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、背任罪)の罪を犯した
    ・暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯した
    上記に該当することにより罰金の刑に処せられたとき
  4. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が免許欠格事由に該当することとなったとき
  5. 法人でその役員または政令で定める使用人が免許欠格事由に該当することとなったとき
  6. 個人で政令で定める使用人が免許欠格事由に該当することとなったとき
  7. 免許換えをしなければならない事由に該当する場合において新たな免許を受けていないことが判明したとき
  8. 免許を受けてから1年以内に事業を開始せず、または引き続いて1年以上事業を休止したとき
  9. 廃業の事実が判明したとき
  10. 不正な手段により免許を取得したとき
  11. 業務停止処分事由に該当し情状が特に重いとき、または業務停止処分に違反したとき

内容的には、宅建業免許基準の欠格事由に該当することとなった場合には、免許を取り消さなければならないということです。

注意する点としては、業務停止処分事由に該当し情状が特に重いときには免許を取り消さなければならないというとこです。

 

任意的免許取消事由

  1. 営業保証金を供託した旨の届出をすべき旨の催告が到達した日から1か月以内に宅建業者がその届け出をしないとき
  2. 宅建業免許に付された条件に違反したとき
  3. 免許を受けた宅建業者の事務所の所在地を確知できないとき、または所在を確知できないときで、公告し、その公告の日から30日を経過しても申出がないとき

 

監督処分の手続き

国土交通大臣又は都道府県知事は監督処分(指示処分、業務停止処分、免許取消処分)をしようとするときは、公開による聴聞を行わなければなりません。弁明の機会の付与ではなく聴聞です。(免許取消処分の認知的免許取消事由の3の場合は除きます)

 

監督処分の公告等

業務停止処分、免許取消処分をした場合には、その旨を以下の方法で公告しなければなりません。

  1. 国土交通大臣においては官報
  2. 都道府県知事においては公報またはウェブサイトへの掲載その他の適切な方法

指示処分に関しては公告する必要はありません

 

聴聞と公告
  聴聞 公告
指示処分 ×不要
業務停止処分
免許取消処分

 

 

監督処分をした旨の通知

都道府県知事は、国土交通大臣の免許を受けた宅建業者に対して指示処分、業務停止処分をしたときは、遅滞なくその旨を国土交通大臣に報告しなければなりません。

また、他の都道府県知事の免許を受けた宅建業者に対し指示処分、業務停止処分をしたときは、遅滞なくその旨を当該都道府県知事に通知しなければなりません。

 

指導、助言及び勧告

国土交通大臣はすべての宅地建物取引業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができます

 

内閣総理大臣との協議等

国土交通大臣は、その免許を受けた宅建業者に対して監督処分をしようとするときは、あらかじめ内閣総理大臣に協議しなければなりません。

 

内閣総理大臣の関与

内閣総理大臣は以下のような場合に一定の関与することがあります。

  1. 内閣総理大臣は、国土交通大臣の免許を受けた宅建業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、必要な意見を述べることができる。
  2. 内閣総理大臣は、宅建業者に対して、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行う場所に立ち入り、帳簿、書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。
  3. 内閣総理大臣は、報告を求め、又は立入検査をしようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議しなければならない。
  4. 内閣総理大臣は、国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる。

この項目の出題頻度は低いので、内閣総理大臣が関与することもあるという程度の知識でよいと思います。



 

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