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報酬に関する制限





報酬の制限は毎年1問出題されます。近年の問題では、いろいろなパターンを設定してそれぞれ報酬額を計算させる問題が出題されていますので、しっかり理解しておきましょう。

 

 

宅建業者が受領できる報酬の限度額

宅建業者が受領できる報酬額は、国土交通大臣が定める報酬の限度額を超えてはいけません。

それでは、その限度額はどのように計算するのでしょうか。

 

媒介報酬の計算式

国土交通大臣が定める報酬の限度額の基本計算式
代金の額が200万円以下の場合 代金の額の5%
代金の額が200万円超400万円以下の場合 代金の額の4%+2万円
代金の額が400万円超えの場合 代金の額の3%+6万円

 

たとえば、売買代金が1,000万円の建物の媒介契約の報酬の限度額は、1,000万円x3%+6万円=36万円です。

 

 

報酬の制限 

 

消費税の計算

平成26年4月より消費税が8%になっています。報酬額に消費税分の報酬を上乗せして請求することができます。

上乗せして請求できる消費税は課税業者の場合8%、免税業者の場合4%です。

 

上記の例で計算すると(1,000万円x3%+6万円)x8%=38万8,800円になります。(免税業者の場合は37万4,400円)

 

消費税が取引代金に課税されている場合

宅建試験では、問題文の中の取引代金にすでに課税された金額で書かれている場合があります。

たとえば、「土地付き建物の代金は1,080万円(消費税額80万円を含む)」となっている場合には、まず、消費税分を差し引いて計算し、そのうえで消費税を上乗せして計算します。

1,000万円-80万円=1,000万円、この1,000万円を代金額として計算します。

 

また、「土地付き建物の代金は5,160万円(消費税を含む)のうち土地代が3,000万円」となっている場合では土地は非課税なので、建物代2,160万円から消費税分を差し引き、建物代2,000万円と土地代3,000万円の合計5,000万円で計算します。

 

非課税物件には以下のものがあります。

  1. 土地の売買代金
  2. 居住用建物の賃料

※土地の売買代金と居住用建物の賃料は非課税ですが、その媒介・代理の報酬額には課税することができます。

 

売買・交換の媒介・代理の場合の報酬の限度額

上記の報酬額の基本計算式で導き出された報酬額に基づき次のように報酬を受領することができます。

  1. 1件の取引においては、基本計算式の報酬額の2倍
  2. 当事者の一方から受領することができる額は
    ・媒介の場合は計算式の報酬額
    ・代理の場合は計算式の報酬額の2倍

 

宅建試験では、売買・交換の媒介・代理の場合の報酬の受領方法にいくつかのパターンがあります。

  1. 宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合
  2. 複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合
  3. 宅建業者が代理の依頼を受けた場合
  4. 一方の宅建業者が媒介の依頼を受け、もう一方の宅建業者が代理に依頼を受けた場合

 

宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合

宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合

 

宅建業者が単独で媒介の依頼を受け売買契約を締結した場合は、基本計算式の報酬額の2倍が限度額(消費税を含む)ですので、77万7,600円です。

また、一方から受け取ることができる限度額は基本計算式の報酬額です。売主と買主から、基本計算式で計算した38万8,800円の報酬をそれぞれ受領することができます。

たとえば、売主から38万8,800円、買主から30万円というように受領することもできます。ただし、受領することができる報酬額が基本計算式の2倍だからといって、売主から47万7,600円、買主から30万円(足すと77万7,600円)というように受領することはできません。あくまで、媒介の場合は一方からは基本計算式で計算した報酬額までしか受領できません。

 

 

複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合

複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合

 

複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受け売買契約を締結した場合も、基本計算式の報酬額の2倍が限度額(消費税を含む)ですので、77万7,600円です。
また、一方から受け取ることができる限度額は基本計算式の報酬額です。基本計算式で計算した38万8,800円の報酬をそれぞれの宅建業者が受領することになります。

 

宅建業者が代理の依頼を受けた場合

 宅建業者が代理の依頼を受けた場合

 

宅建業者が売主(または買主)から代理の依頼を受けて売買契約を締結した場合には、依頼者からは基本計算式の報酬額の2倍を受領することができます。

代理の場合は双方代理が禁止されているため、一方の依頼者の代理人になるともう一方からは報酬を受領することがでいません。そのため、代理の場合には、基本計算式の報酬額の2倍になっているのです。

 

一方の宅建業者が媒介の依頼を受け、もう一方の宅建業者が代理に依頼を受けた場合

一方の宅建業者が媒介の依頼を受け、もう一方の宅建業者が代理に依頼を受けた場合

 

一方が代理、もう一方が媒介の場合も合計金額は基本計算式の報酬額の2倍の77万7,600円です。

ただし、代理の依頼を受けた宅建業者は、基本計算式の報酬の2倍まで受領することができますので、77万7,600円まで受領可能になってしまいます。この場合は、取引1件の報酬の限度額は基本計算式の報酬の2倍なので、媒介の依頼を受けた宅建業者は報酬を受領することができません。

複数の宅建業者が媒介の依頼を受けている場合には、売主から47万7,600円、買主から30万円(足すと77万7,600円)というように受領することはできませんでした、あくまで、媒介の場合は一方からは基本計算式で計算した報酬額までしか受領できません。しかし、一方が代理、もう一方が媒介の場合には、売主から代理の依頼を受けた宅建業者が47万7,600円の報酬を受け取ることができ、この場合には、買主から媒介の依頼を受けた宅建業者は30万円までの報酬が限度額になります。

 

交換の媒介・代理の場合

ここまで売買の媒介、代理のお話しか出てきませんでした。交換のこのを忘れているわけではありません。

交換の媒介、代理の場合と売買の媒介、代理の場合は同じように計算します。

ただ、違いは、交換の場合は物件の価格が高い方で報酬の計算をするということです。

たとえば、Aが所有する1,000万円の建物とBの所有する800万円の建物の交換の媒介契約であれば、報酬の計算は物件価格が高い方の1,000万円で計算をするということです。

後は、上記で説明した通りに計算することになります。

 

貸借の媒介・代理の場合の報酬の限度額

貸借の場合のは次のように報酬を受領することができます。

  1. 依頼者双方からあわせて借賃の1か月分が報酬の限度額
  2. 居住用建物の賃貸借の媒介の場合は媒介の依頼を受けるに当たって依頼者の承諾を得ている場合の除き依頼者一方からは借賃の1か月分の2分の1までが報酬の限度額(承諾を得ている場合には、依頼者から借賃の1か月分まで受領できます。)
  3. 権利金の授受がある場合は権利金を基準にして基本計算式で計算した報酬の限度額

貸借の媒介・代理の場合の報酬の受領方法にもいくつかのパターンがあります。

  1. 宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合
  2. 複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合
  3. 宅建業者が代理の依頼を受けた場合
  4. 権利金の授受がある場合

 

宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合

宅建業者が単独で媒介の依頼を受けた場合 貸借の場合

 

貸借の場合の報酬の限度額は月額の借賃を超えてはなりません。たとえば、宅地の賃貸借の場合で借賃月額10万円の場合、双方から受け取ることのできる報酬の限度額は10万8,000円です。(消費税を含む)

また、賃貸借の目的が居住用建物の場合の媒介では、一方から受け取ることのできる報酬の限度額は月額の借賃の2分の1です。借賃が10万円なら、一方からは5万4,000円まで受領することができます。

 

居住用建物の賃貸借の媒介以外の場合であれば、報酬の限度額は10万8,000円以内であれば、貸主と借主の割合は自由に決めることができます。たとえば、貸主から10万8,000円の報酬をもらい、借主からはもらわないということもできます。

居住用建物の賃貸借の媒介の場合は、貸主から10万8,000円、借主からはもらわないということはできません。ただし、あらかじめ依頼者から承諾を得ている場合には、貸主から10万8,000円の報酬を受け取ることができます。(この場合、借主からはもらえません。逆に借主から10万8,000円の報酬を受け取ると貸主からはもらえません。)

 

複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合

複数の宅建業者が共同で媒介の依頼を受けた場合 貸借の場合

 

複数の宅建業者が絡んでいる場合でも基本的に考え方は変わりません。

 

宅建業者が代理の依頼を受けた場合

宅建業者が代理の依頼を受けた場合 貸借の場合

 

代理の場合も媒介の場合と同様に借賃の1か月分が報酬の限度額になります。

 

権利金の授受がある場合

居住用建物以外の賃貸借の媒介、代理において権利金の授受がある場合には、その権利金を売買代金とみなして、基本計算式の報酬の限度額まで受領することができます。

この場合の権利金とは、権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものを言います。

権利金の設定があっても、返還されるものや、居住用建物の賃貸借の媒介の場合は、権利金を基準に報酬額を計算することはできません。

 

それでは、居住用建物以外の賃貸借の媒介であって、権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の授受がある場合はどのように報酬の計算をするのでしょうか。

 

たとえば、宅地の賃貸借の媒介の場合、月額の借賃が10万円、権利金が200万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)では報酬の限度額はいくらでしょうか。

借賃を基準にすると依頼者双方からあわせて借賃の1か月分が報酬の限度額でした。よって10万8,000円までです。

それでは、権利金を基準にして計算してみましょう。

200万円を売買代金として考えるので、(200万円x5%)x8%=10万8,000円の2倍

よって21万6,000円です。

 

権利金の授受がある場合

 

もちろん、報酬は限度額ですので、双方から報酬を5万4,000円ずつ受領してもかまいません。あくまで限度額です。

 

規定によらない報酬の受領の禁止 

宅建業者は、上記で説明した報酬以外を受領することはできません。したがって、広告費用や書類作成費用といった名目での費用を上乗せして請求することはできません。また請求すること自体が宅建業法違反になります。

 

ただし、宅建業者が依頼者の特別な依頼による特別な費用については、報酬以外に受け取ることができます。

たとえば、依頼者の依頼によって行う広告の料金や依頼者の特別な依頼により行う遠隔地における現地調査に要する費用は報酬とは別に受け取ることができます。

 

不当に高額の報酬を要求する行為

宅建業法では、不当に高額な報酬を要求すること自体が禁止されています。たとえば、報酬の制限を超える報酬を請求したが実際には報酬額の制限以内の報酬を受け取った場合でも、要求すれば宅建業法違反になります。

また、これらの報酬の制限は宅建業者間においても適用されますので注意が必要です。

 

報酬の額の掲示義務

宅建業者はその事務所ごとに公衆の見やすい場所に国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければなりません。

報酬の額の掲示義務については、標識や専任の取引士の設置、帳簿などと一緒に覚えるとよいかもしれません。



 

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