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民法‐意思表示





意思表示とは、たとえば土地の売買契約に際して、土地を買うことを持ちかけ(申込み)、買主が買いますと返事(承諾)する行為のことをです。

契約とは、原則として、申込みと承諾の意思表示を行い、その意思表示が合致することで成立します。

 

例を挙げて説明しましょう。

売主Aは自分の土地を売りたいと考えました。

売主AはBに自分の土地を買わないか?と持ちかけます(申込み)

Bはその土地をほしいと思い、売主Aに買いますと返事します(承諾)

このように売主Aと買主Bが自分の意思を相手に伝えることを意思表示といいます。

これで、AとBの土地売買契約は成立します。ちなみに、契約を結ぶときは口約束だけで成立します。契約書はその契約の証拠を残すための書類です。

 

さて、ここまでなら、なんの問題もないのですが、世の中には悪い奴や冗談をいう奴、また、勘違いで契約をしてしまう人なんかも少なくありません。

 

ここでは、そんな意思表示をしたときのことを勉強していきます。

 

具体的に、意思表示には大きく2つに分類されます。それは、意思の不存在と瑕疵ある意思表示です。それぞれについて勉強します。

宅建資格試験では、取引を持ちかける人(表意者)と、その相手方に加え、第三者の存在が出てくるので、とてもややこしい問題が出題されます。
関係性をしっかり理解しておく必要があるでしょう。

 

 

意思表示の種類

意思の不存在とは

意思の不存在とは、真意(内心で思っている意思)と表示(意思表示の内容)が食い違っていることを言います。意思の不存在には、心裡留保、虚偽表示、錯誤があります。

 

意思の不存在(真意と表示が一致しないこと)

  1. 心裡留保
  2. 虚偽表示
  3. 錯誤

 

瑕疵ある意思表示とは

瑕疵ある意思表示とは、表示の過程で瑕疵(欠陥、キズ、欠点など)がある意思表示のことを言います。瑕疵ある意思表示には、詐欺や強迫があります。

 

瑕疵ある意思表示(表示の過程に瑕疵があること)

  1. 詐欺
  2. 脅迫

表意者とは

表意者とは意思表示をする人のことを言います。買主、売主のように売りたい買いますといった意思を表示した人のことです。

 

善意とは

善意とは、ある事実について知らないという意味で用いられます。

『Aが冗談(心裡留保)でBに土地を売る意思表示をしました。でも、Aは土地を売るつもりはありませんでした。このことについてAが売るつもりがないことを知らなかった(善意)のとき…』というような使い方をします。

また、Aが売るつもりがないということに注意していた場合は善意無過失といい、注意していなかった(注意していれば知ることができた)場合は善意有過失といいます。

宅建試験では、この善意、善意無過失、善意有過失、重過失(重大な過失があること)について問われる問題が出ます。

 

悪意とは

悪意とは、善意の反対の意味で、ある事実について知っているという意味で用いられます。

善意、悪意とは良い、悪いという意味ではありません。

 

心裡留保

心裡留保とは、表意者がその真意ではないことを知ってする意思表示のことです。簡単に言えば、嘘や冗談(真意ではないことを知ってした)のことです。

そして、この心裡留保は、相手方が善意無過失であれば原則として有効になります。ただし、相手方がその冗談知っていたり(悪意)、知ることができる(善意有過失)場合は、無効になります。

 

心裡留保の例

心裡留保の例

 

例)表意者であるAが相手方Bに対して時価1億円の物件をAの冗談で5千万円で売ってあげるよといいました。

Bは時価1億円の物件を5千万円で買いたいと本気(善意無過失)の場合は有効になります。
しかし、Bが時価1億円の物件を5千万円で売るなんて冗談だと知っていたり(悪意)、そのことを知ることができた(善意有過失)としたらAは無効を主張することができます。

 

 

心裡留保 第三者との関係

心裡留保第三者との関係

 

例)表意者であるAが相手方Bに対して時価1億円の物件をAの冗談で5千万円で売ってあげるよといいました。
Bは時価1億円の物件を買ったので、第三者Cに売ってあげますよと話を持ちかけました。
このとき、BはAの冗談を知っていたか、又は知ることが出来たため、AはBとの契約は無効としました。
この場合、AはCに対して対抗できるのは、第三者Cが悪意の場合です。もし、Cが善意である場合、AはCに対して対抗できません(Cから物件を取り戻すことができない)。

 

虚偽表示

虚偽表示とは、表意者と相手方が示し合わせて(通謀)虚偽の意思表示をすることです。
通謀虚偽表示といいます。これに対し、心裡留保は単独虚偽表示といわれています。
このような虚偽表示で行われた契約は無効です。また、虚偽による意思表示の無効は善意の第三者に対抗することができません。

 

虚偽表示 第三者との関係

虚偽表示第三者との関係

 

例)表意者Aは債権者の差し押さえを免れるため、相手方Bと通謀して物件の所有権移転登記をしました。もちろん後から返してもらうことを条件にです。

しかし、Bは所有権移転登記をしたその物件を第三者であるCに転売する契約を結びました。
この場合、表意者Aと相手方Bとの契約は無効になります。(所有権移転登記を受けていてもです。虚偽表示は常に無効。)
問題になるのはここからです。Aが第三者Cから物件を取り戻すことができる(対抗できる)のは、Cが悪意の場合だけです。Cが善意の場合、AはCに対抗することはできません。この場合Cに過失があったとしてもAはCに対抗することができません。(善意でありさえすれば保護される)

宅建試験では、『Cは善意であるが過失があるため、AはCに対抗できる』というような問題が出題されます。

Cは善意であれば過失があったとしても保護されます。よって誤り。

 

虚偽表示 第三者、転得者との関係

虚偽表示第三者、転得者との関係

 

それでは、第三者が別の人(転得者)に物件を転売してしまった場合はどうでしょう。

例)表意者Aは債権者の差し押さえを免れるため、相手方Bと通謀して物件の所有権移転登記をしました。もちろん後から返してもらうことを条件にです。
しかし、Bは所有権移転登記をしたその物件を第三者であるCに転売する契約を結びました。さらに、第三者CはDに対して物件を譲る契約を結びました。
この場合、AはDに対抗できるでしょうか?

AがDに対抗できるのは、CとDの両者が悪意のときです。

 

Cが善意の場合、Dが善意であろうが悪意であろうがAはDに対抗することができません。また、Cが悪意である場合、Dが善意であればAは対抗することはできず、Dが悪意の場合のみAはDに対抗することができます。

 

虚偽表示 第三者、転得者との関係のまとめ

表示者Aは転得者Dに対抗できるのか?
第三者C 善意 善意 悪意 悪意
転得者D 善意 悪意 善意 悪意
AはDに対抗できる? 対抗できない 対抗できない 対抗できない 対抗できる

 

 

錯誤

錯誤とは、勘違いや言い間違いのことです。そして、この意思表示は、法律行為に要素の錯誤(契約の重要な事柄についての錯誤)があった場合、無効としています。ただし、表意者に重大な過失(重過失)があったときは表意者は自らその無効を主張することができません。

 

錯誤無効の主張

錯誤無効の要件
  1. 要素の錯誤があること
  2. 重過失がないこと
第三者との関係 善意の第三者に対しても無効を主張できる。ただし、法律行為の要素に錯誤があり、かつ、重大な過失がない場合に限ります。

 

錯誤の例

Aは更地の甲土地と自宅を建てて住んでいる乙土地を持っています。Aは更地の甲土地をBに売ろうと思ったのですが、勘違いで、乙土地を売りますと言ってしまいました。

甲土地と乙土地を勘違いしてしまい契約をしてしまうようなことを要素の錯誤があるといいます。

このように、法律行為に要素の錯誤があり、Aに重大な過失がない場合、無効を主張することができます。

 

また、無効の主張は本人にしかできないことになっています。

たとえば、上記の例の場合で、Aが勘違いで乙土地を売るといってしまったのですが、無効を主張しませんでした。このような場合で、Aに無効を主張する意思がない場合、第三者は原則として無効を主張することができません。ただし、Aが要素の錯誤があると認めている場合で、無効主張してないときには、第三者が自分の権利を保全する必要があるときには、その第三者は、債権者代位権を行使し、本人に代位して錯誤による無効を主張することができます。

 

こんな問題が出ました(平成21年度 問1肢2)

表意者自身において、その意思表示に瑕疵を認めず、民法第95条に基づく意思表示の無効を主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の無効を主張することはできない。

意思表示に瑕疵を認めずとは、『表意者が要素の錯誤はないと言っている』という意味です。

たとえ、第三者は(債権を保全する必要がある場合であっても)、本人が要素の錯誤がないと言っている以上、その意思表示の無効を主張することができません。

無効を主張するには本人が『意思表示に瑕疵を認めている(錯誤を認めている)』場合です。

 

動機の錯誤

意思表示をする際の動機に錯誤(勘違い)があった場合を動機の錯誤といいます。

この場合、上記の例のように売ろうとする土地が違うというものではなく、売る土地は同じなのですが、その意思表示の内容が違うことから、相手に分かりにくい勘違いです。そのため、動機の錯誤を理由に無効主張する場合は、その動機を相手方に表示して意思表示の内容したときに限り認められます。

この表示は明示的(相手に話したりして告げている場合)であっても黙示的(動機を告げていないけれども、言動により相手方もわかっている場合)であってもよいとなっています。

 

たとえば、売主Aは『今なら土地を売って利益が出ても課税されない』と思って土地をBに売る契約をしました。しかし、その後Aは課税されないことが勘違いであって、課税されてしまいました。

この場合、相手方にその動機を表示して意思表示の内容としたときは、錯誤無効を主張することができます。

 

詐欺

詐欺による意思表示は取り消すことができます

たとえば、Aが所有する土地を安く買いたいと思ったBが『Aの土地は半年後には大暴落するよ』と告げたため、Aはその土地を半値で売る意思表示をしたような場合です。

このように、詐欺による意思表示をしてしまった場合は取り消すことができます。

 

詐欺 第三者との関係

詐欺による取り消しは善意の第三者に対抗できません

たとえば、Aが所有する甲土地をBが将来大暴落するよと告げたため、Aは甲土地をBに半値で売る意思表示をしました。その後、BはCに甲土地を転売しました。この場合、AはBによる詐欺を取り消して、Cに対して甲土地を返せといれるでしょうか?

CがBの詐欺について知らなかった場合は、AはCに甲土地を返せといえません(善意の第三者に対抗できない)もし、CがBの詐欺について知っていれば(Cが悪意)AはBの詐欺による意思表示を取り消してCに返せといえます。

 

それでは次のような場合はどうでしょう。

Aが所有する甲土地は半年後に大暴落するよとBから聞き、Aはすぐに売るために、Cに半値で売る意思表示をしました。

この場合、相手方であるCがBの詐欺について知らなかった(善意)場合は、AはBによる詐欺を取り消して甲土地を返せといえません(善意の第三者に対抗できない)。逆に言えば、CがBの詐欺を知っていたら(悪意)AはCに甲土地を返せといえます。

 

強迫

強迫による意思表示は取る消すことができます

たとえば、Aが所有する甲土地をBに脅されて半値で売る意思表示をしました。この場合AはBの強迫を理由にABの売買契約を取り消すことができます。

 

強迫 第三者との関係

強迫による取り消しは善意の第三者に対して対抗することができます

詐欺では、善意の第三者に対抗することができませんでした。しかし、強迫の場合は第三者が善意の場合であっても取り消すことができます。強迫はそれだけ悪質で本人を保護しなければならないからです。

 

詐欺・強迫のまとめ

 詐欺・強迫の場合の効果等
  効果 善意の第三者に対して
詐欺 取り消すことができる 対抗できない
強迫 取り消すことができる 対抗できる

 

取消権の期間の制限

詐欺、強迫にあった被害者には取消権を有します。取消権は、追認をすることができるときから5年間に行使しなければ時効によって消滅します。また、法律行為の時から20年を経過したときも時効により取消権は消滅します。
この取消権は制限行為能力者の法律行為の場合にも適用されます。(民法第126条)

 

その他の意思表示

公序良俗違反

公序良俗違反とは、公の秩序や善良な風俗に違反することをいいます。要は反社会的な内容の契約をする場合です。たとえば、100万円の土地を1億円で販売するような暴利行為などもその1つです。

このような公序良俗違反による契約は当然無効です。(取り消しではありません)

そして、第三者との関係において、公序良俗違反を有効にすることはできないため、善意の第三者に対しても無効を主張できます。

 

隔地者に対する意思表示

隔地者(遠く離れた場所にいる者)への意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます。たとえば、物件を買うために、申込みの意思表示を手紙(書類等)で送ったとします。この場合、相手方に手紙が到達した時点でその意思表示をしたということになります。
また、隔地者へ意思表示をした後、その表示者が死亡した場合又は行為能力を喪失した場合であっても、表意者がした意思表示は効力を生じます。(意思表示の効力は到達主義)
隔地者との契約の成立は、意思表示と違い、その承諾を通知した時点で効力を生じます。(承諾の通知は発信主義)
(民法第97条・民法第526条)

 

公示による意思表示

意思表示は、表意者が相手方を知ることができなかったり、居場所がわからないときは、公示の方法ですることができます。
(民法第98条)

 

意思表示の受領能力

未成年者や成年被後見人に対して意思表示をした場合、表意者は未成年者又は成年被後見人に対して意思表示をしたと主張できません。しかし、未成年後見人(親権者)や成年後見人に対しては意思表示することができ、それらの法定代理人は意思表示を受領できます。(未成年者、成年被後見人は意思表示の受領は主張できません)
また、被保佐人、被補助人は意思表示を受領することができます。
(民法第98条の2)



 

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