平成20年宅建過去問 問6
- Z 平成20年度宅建過去問
- a 民法
- b
- Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Dが、Eに対して債務を免除した場合にはFが、Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
- Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対して履行を請求した効果はBに及ぶ。Dが、Eに対して履行を請求した効果はFに及び、Fに対して履行を請求した効果はEに及ぶ。
- Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
- AB間の契約が無効であった場合にはCが、AC間の契約が無効であった場合にはBが、それぞれ1,000万円の債務を負う。DE間の契約が無効であった場合はFが、DF間の契約が無効であった場合はEが、それぞれ1,000万円の債務を負う。
平成20年宅建過去問 問6の選択肢1の解説
平成20年宅建過去問 問6の選択肢2の解説
本肢では、履行請求についての違いについてです。
連帯債務の場合、一人に対して履行を請求すると他の債務者全員に対して効力を生じます。(民法第434条 )よって正しい。
連帯保証の場合も同様に主たる債務者に対して履行を請求すれば連帯保証人にも効力は生じ、連帯保証人に対して履行を請求すれば、主たる債務者にも効力が生じます。(民法第458条 民法第434条 )よって正しい。
連帯債務、連帯保証それぞれ正しい。よって正しい。
平成20年宅建過去問 問6の選択肢3の解説
連帯債務の場合、時効が成立すれば、連帯債務者の負担部分については債務を免れます。(民法第439条 )
よって、本肢の前半部分は正しい。
後半部分の連帯保証の場合は、主たる債務者に対しての時効の完成であれば、附従性により、連帯保証人に対しても時効が成立して、全額の債務を免れます。しかし、連帯保証人に対する時効が成立しても、主たる債務者に対して時効は成立しません。
よって、後半部分は誤り。
前半部分の連帯債務については正しいが、後半部分の連帯保証については誤り。よって誤り。
平成20年宅建過去問 問6の選択肢4の解説
連帯債務の場合、無効又は取消しの場合、他の連帯債務者の債務に影響を及ぼしません。(民法第433条 )
よって、本肢『それぞれ1,000万円の債務を負う。』は正しい。
後半部分の連帯保証の場合は、主たる債務者に対しての契約が無効であった場合、附従性の性質により、連帯保証契約も無効になります。しかし、連帯保証契約が無効になったとしても、主たる債務者との契約が無効になる事はありません。よって誤り。
前半部分の連帯債務については正しいが、後半部分の連帯保証については誤り。よって誤り
連帯債務と連帯保証の違いについて問われています。
本肢は債務の免除のそれぞれの違いについてです。
まずは、連帯債務について、一人に対して免除した場合はどうなるのでしょうか。民法では連帯債務の場合、負担部分のみに効力を生ずるとあります。(民法第437条 )
本肢では『それぞれ500万円分の債務を免れる。』とあるので、正しい。
後半部分の連帯保証の場合では、主たる債務者に対しての免除なのか、それとも、連帯保証人に対しての免除なのかによって違いました。
主たる債務者であるEに対して免除をすれば、連帯保証人であるFにも効力が及びます(免除されます。保証債務の性質に付従性 と随伴性 )があるためです。抵当権の性質と同じ。)
本肢では、『Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。』とあります。連帯保証人Fに対して免除されてもEには効力が及ばないため、誤り。
前半部分の連帯債務については正しいが、後半部分の連帯保証については誤り。よって誤り。
付従性とは
主たる債務が成立しないと、保証債務も成立しないし、主たる債権が消滅すると保証債務も消滅する。
随伴性とは
主たる債務が譲渡されると、保証債務も一緒に移転します。