平成22年宅建過去問 問6
- Z 平成22年度宅建過去問
- a 民法
- b 損害賠償の範囲, 過失相殺
【問 6】両当事者が損害の賠償につき特段の合意をしていない場合において、債務の不履行によって生じる損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 債権者は、債務の不履行によって通常生ずべき損害のうち、契約締結当時、両当事者がその損害発生を予見していたものに限り、賠償請求できる。
- 債権者は、特別の事情によって生じた損害のうち、契約締結当時、両当事者がその事情を予見していたものに限り、賠償請求できる。
- 債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始する。
- 債務の不履行に関して債権者に過失があったときでも、債務者から過失相殺する旨の主張がなければ、裁判所は、損害賠償の責任及びその額を定めるに当たり、債権者の過失を考慮することはできない。
平成22年宅建過去問 問6の選択肢1の解説
平成22年宅建過去問 問6の選択肢2の解説
特別の事情によって生じた損害については債務不履行時に当事者(債務者)がその事情を予見可能だったものが損害賠償の範囲になります。
本肢では、『契約締結当時、両当事者が』となっていますので誤り。
平成22年宅建過去問 問6の選択肢3の解説
債務者の責めに帰すべき債務の履行不能によって生ずる損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時からその進行を開始します。なぜなら、履行不能による損害賠償権が本来の債務の履行請求権によるもので同一性があるからです。
そのため、本来の債務について進行した時効が損害賠償請求権に代わり進行します。よって正しい。
平成22年宅建過去問 問6の選択肢4の解説
裁判所が過失相殺をするために、債務者からの過失相殺する旨の主張は必要ありません。(民法418条)
債務不履行によって通常生ずべき損害は当事者(債務者)の予見は要件ではありません。よって誤り。